アイル

舞踏会の嗜み-2(R18)

(中略)
「ちょ!ちょっ、まっ――ひあああぁッ!?」
 陰茎全体を生温いモノで覆われると顔を上下に動かして竿全体を擦り上げられ、物凄い快感が背中を駆け抜け腰が大げさなくらいにビクビクと震える。
「だ、めッ……!イ、っちゃう、からぁっ!!」
 あまりに強い刺激に、先端の孔から先走りが溢れてしまうが自分の意思ではどうにもならない。
 まだ先程の熱も体内で燻っているし、このままだとまたあっという間に達してしまう。
 それだけは阻止しようと必死に腹に力を入れて堪えようとするが、裏筋部分を舌の先で舐め上げるように何度も刺激されると一気に腰の辺りに熱が集まってくる。
「や、あっ!も……イっちゃ……ぁ、ッく!」
 兵長が顔を動かす度にジュブジュブと唾液か先走りか分からない液体の音が辺りに鳴り響く。
 口の裏側のザラザラしている部分に亀頭の先端を擦り付けられ、これでもかというくらい刺激されるとドッと先走りが溢れ出してしまう。もしかしたら、すでに少し精液が混じっているかもしれない。
「ひッ――あああああッ!?」
 キュッと頬を窄められ、そこを大きくグラインドされると皮がめくれてそこからも快感が生まれる。さらに先端の孔を舌で抉るように刺激されるともう駄目だ。
 ガクガクと腰が震えて止まらない。
 頭の中がチカチカとして一気に真っ白になると、ブルリと腰が震えて無意識に兵長の口に腰をグイグイと押し付けてしまう。
「――っと危ねえ。
 お前はさっきもイっただろうが。また一人で先にイくつもりか?」
「そ、んなぁ…ッ……!」
 精液が身体の奥底からせり上がってきて、あと少しでイけるというところで陰茎の根元を指で作った輪っかで塞き止められてしまった。
 頭の中では完全にイった感覚なのに、身体の中では未だに熱がグルグルと回っている。まるでチグハグな状態に自分でも訳が分からず、口からは意味をなさない言葉が零れ落ちていく。
 陰茎は射精する直前に無理矢理根本を塞き止められたせいで真っ赤に腫れ上がり、先端からは時折プクリと白濁液の混じった液体が溢れ出て竿を辿ってゆっくりと零れ落ちていっている。
 指の輪で流れを塞き止めているだけなので、恐らく完全には精管を塞ぎ切れてはいないのだろう。
「――ッ!?や、あっ……ッ!」
 思わず両手を下肢に伸ばして根本を締め上げている兵長の指を外そうとするが、快感で力がほとんど入らない状態のため、ただ兵長の手の表面を掻くだけだ。
 それどころか、偶然陰茎の先端に指がかすってしまってますます自分で自分を追い詰めてしまう。ゾクリとした熱が腰の辺りに広がるが、流れを塞き止められているので射精も出来ず体内で熱が荒れ狂って頭がおかしくなりそうだ。
「おいおい、何やってんだ?自分で弄っても自分で自分の首を絞めるだけだからな。」
「はっ……はぁっ……ッ、ん」
 楽しそうな声音で兵長に声を掛けられるが、こちらはそれに返答しているどころではない。
 必死に高ぶった身体を静めようと荒い息を吐くので精一杯だ。

「後ろも解さねえとな。解すのに何か使えそうな物は……」
 兵長は陰茎の根元にある手はそのままに、空いている方の手でベッドサイドにある小さなテーブルの引き出しの中を漁り出した。
 しばらくするとゴソゴソと物を漁る音が止んだのでチラリと目を向けると、目的の物を見つけたのか満足そうな顔をしており手には何か小さな物を持っている。
「ああ……あったあった。これだ。」
「へ、いちょう?」
 状況がよく分からないので心配になって声を掛けると、繊細な装飾の施された小さなガラス製の小瓶を目の前にかざされた。
 瓶の中には透明な液体が入っているようだが、今の状況から察するに恐らくこれは潤滑液の類だろう。
「こういう場所には、大体この手の物が置いてあるんだよ。」
 片足の膝裏を掴まれるとグイと胸元まで押し上げられ、後孔まで完全に見える格好にさせられる。普段なら抵抗しているところだが、今はそれに抵抗するだけの気力も無い。
 いや――
 むしろ早くこの責め苦のような快感から解放されたくて、早くどうにかして欲しいくらいだ。

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