アイル

リヴァイが猫になった日-1(R18)

(中略)
「……やっぱりこれだ。」
「ッ、え?」
 せめてもの抵抗とシーツを掴んで目をギュッと瞑っていると、首筋の辺りで人の臭いを散々嗅ぎまわっていた兵長が頭を上げたのにつられて目を開ける。
「どうもさっきから嗅いだ覚えの無い匂いがすると思ったら、お前が感じると首の辺りから良い匂いがするみてえだな。」
「良い匂い、ですか?」
 もちろん男の自分が香水など付けているはず無い。というか、常に戦いの最前線にいる調査兵団に所属している人間で香水とかそういう類の物を付けているような人は皆無だ。
 試しに自分でもクンクンと首……は無理なので、肩の辺りの匂いを嗅いでみるが、案の定汗臭さが少しするだけで良い匂いなんて一切しない。
 まあ臭いと言われるよりは良いが、ちょっと変な感じだ。
「……?オレは全然分からないですけど。」
「あのクソメガネに変な物を食わされたせいで、耳と尻尾だけじゃなくて嗅覚の方も動物寄りになったのかもな。」
「はあ、なるほど。」
 自分が猫化したときは嗅覚が敏感になったとかそういう感覚は無かったが、そこら辺は人それぞれなのかもしれない。
「感じている時にこの匂いがするってことは、一種のフェロモンみてえな物かもしれねえな。」
「ふぇろもん?」
「はあ……。お前は巨人を駆逐する以外にも少しは頭を使え。」
 聞き慣れない言葉に首を傾げると思い切りため息を吐かれて頭を小突かれる。
「まあ簡単に言うと、動物が異性を惹きつけるのに発する匂いみたいな物だ。大体は発情期なんかにフェロモンがよく出るらしいが……人間は便利なことにいつでも発情出来るからな。」
「ん、ぅ……!」
 ほらと言うと陰茎を再び上下に擦られて、腰の辺りにじんわりと熱が広がると先端から先走り液がにじんでくる。
 これ以上は、流石に不味い。取り返しがつかなくなってしまう。
「へ、いちょ……まだ、訓練中ですから……っ!」
「そんな匂いをさせといても説得力が無えな。」
 両足の膝をこすり合わせて与えられる快感に何とか耐えながら訴えるが、兵長は人の話しをまるで聞くつもりが無いのか、熱に浮かされているようなトロンとした目付きでオレを見下ろしている。
「……?」
 兵長の言うフェロモンとかいう良い匂いのせいだろうか。普段とちょっと違う雰囲気だ。どこが違うのかと言われると困るが……欲望に忠実そうな、獣的な雰囲気を醸し出している。
「い、いや!匂い?とかは兵長が触ってるからじゃないですか!……ちょっ!?っ、あ!」
 兵長相手だと強く出られないのを良いことに、やりたい放題だ。
 オレの身体をグルリと反転させてバックスタイルを取らせると、背中に圧し掛かってきて項の部分をベロリと舐め上げてくる。しかもこれまた猫化しているせいなのか、いつもよりも舌の表面がザラザラとしていて皮膚が痛い。
 思わず逃げるように上体を逃がそうとすると、首筋をガブリと思い切り噛まれて動きを封じられる。
「――ッ、た!」
 痛みに思わず上体を伏せると、なだめるようにそこをあぐあぐと甘噛みされて大した刺激でも無いはずなのに口から熱い吐息が零れてしまう。

(なんか、これ……近所の猫のアレみたいだな。)
 ふと、今の状況に自分が訓練兵になる前のことを思い出す。
 たしか春先くらいだっただろうか。猫が外でギャーギャー煩いのでケンカでもしているのかと見に行ったときのことだ。ちょうど今のオレと兵長のように、メス猫の上にオス猫が乗っかっていて首筋を噛んでいたのだ。
(父さんに何してんだって聞いたら……たしか、交尾だって言ってたよな。)
 あの時は小さかったので交尾という意味もよく分からず適当にふーんと流してしまったが、今になるとよく分かる。というか、まさしく自分が今あのシーンを再現しているようなものだ。
(――って、ちょっと待て?)
 今、まさにあの猫の交尾のシーンを再現しているということはだ。つまりこの後に自分がやられるのは――
「う、あっ!?」
「……なにさっきから他所事考えてんだお前は。」
「ん、っ!んんっ!」
 ああ……予想通りだ。
 尻の狭間にヌルリと濡れた感覚がした次の瞬間、グイと熱い塊を押し付けられて腿の間に挟むような格好にさせられる。さらに腰を前後に動かされて、後孔から会陰部にかけて兵長の陰茎がズルズルと往復して濡れた音が聞こえてくる始末だ。
 テントの中とは言え、布一枚の向こう側は外で、しかも同じ班の仲間がいるのに……でも、自分だって完全に勃起していて引くに引けない状況だし、兵長だってそうなのだろう。
「ちょ、ちょっとへ、いちょ……ッ、せめて、灯りを……!」
 何とか後ろにいる兵長の方を向いて必死に頼み込むと、面倒そうにしながらも天井から下げられているランタンの火を消してくれたのでホッと胸をなでおろす。あとはオレが声を出さないように気を付ければ良いだけだ。
 正直、いつも最中の最後の方には訳が分からないことになっていることがほとんどなので不安ではあるが、兵長だって他の班の人たちにこういう状況を知られるのは本意では無いだろうという事に期待するしかない。
 枕なんて気の利いた物が有るはずも無いので、先ほど脱がされた団服の上着を手繰り寄せるとそこに顔を埋めることにした。

「……んっ……んんっ!」
 腰を何度も後ろから押し付けられると、直接触れられている訳では無いはずの陰茎がいつの間にか完全に勃ち上がり、先端からポタポタと先走りが零れて床に染みを作っている。そしてオレは今、上体を伏せて腰を上げた格好をしているので腕の隙間からその光景がよく見える。
 会陰部を通って陰嚢を突き上げるように陰茎を動かされると、本当に挿入されている時みたいで自然と息が荒くなってしまう。
 しかも――
(な、んか……いつもと感じが違う?)
 こうやって腿の間に兵長の陰茎を挟んで擦ったことは、挿入が出来ないような状況の時とか前戯の時にやられたことが何度かある。しかし、さっきから会陰部と陰嚢を刺激している亀頭の感触がいつもと違うザラザラとした感じがするのは気のせいだろうか。
 気になってもう一度見てみるが、丁度自分の陰茎が目の前にあるせいでよく見えない。さらにそうこうしている間にもズブズブと何度も兵長が陰茎を往復されてくるので、こちらもだんだんそれどころじゃ無くなってくる。
「こっちも、随分と物欲し気に動いてるじゃねえか。」
 分かるか?なんて言いながら兵長の目の前に晒した状態の後孔にツプリと指先を埋められたらもう降参だ。
 兵長の陰茎が普段とちょっと違うとかそんな些末なことは頭の中から一気に吹き飛んで、兵長の指の動きに意識が一気に集中してしまう。
「ふ、ッ……んんーっ!」
 先走りか油かよく分からないが、何か潤滑液代わりの物を付けた指先が何度か後孔の表面を撫でると、ヌプリと淫筒の中に入って来るのが分かる。
 自分で言うのもどうかと思うが、日頃から散々兵長に弄りまわされているおかげで特に抵抗も無く指の根本まで一気に中に入って来ると、感触を確かめるように何度か内壁を撫でまわし、更に二本目の指が隙間から入ってくる。
 内壁を二本の指で押し広げるように動かされ、気まぐれに前立腺のところをこねるように弄られながら会陰部を陰茎でグッと突き上げられると堪らない。腰に熱が広がり、内壁が中の指を締め付けるように大きくうねる。上着で口を塞いでいなかったら、大きな喘ぎ声を上げてしまっていただろう。
「入口はキツイが……中は大丈夫そうだな。」
「ん、ぐッ!……ふっ……」
 しつこい位に何度も後ろを弄られ、繰り返し与えられる中途半端な快感に目が虚ろになる頃になってようやく後孔から指を引き抜かれると、潤滑液か腸液だか分からない透明な液体が孔と指の間で糸を引く。さらに腿の間に挟んだ状態だった陰茎も引き抜かれると、孔の入口にその先端を押し付けられるた。
 ああ……ようやくだ。
 思わずゴクリと喉を鳴らして唾を飲み込んでしまうが、今はそれが恥ずかしいとかそう思うだけの余裕も無い。
「んぅ……!」
 グッと亀頭部分を押し付けられると指の時とは比べ物にならないくらい入口が大きく広がり、中に熱い塊が入って来る。
 そしていつも通りゆっくりと奥に押し入れられるだろうと思っていたが――
「えっ!?ちょ、まッ――ひ、ぎっ!?ッ、あああふ、ん、んんんっ!!!」
 一番太いカリ首まで挿入したところで、腰を固定されると一気に最奥の壁までガン!と突き上げられて物凄い刺激に目の前に星が散ってガクガクと全身が震える。

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